自暴自棄

第36話

「…もしもし、母さん?まだ見付からない!

ケータイも通じない!…母さんには、連絡あった!?」

「魅麓。落ち着いて。ね?私も、瑞季の

お友達に、聞いたりしたんだけど…。

わからないって……。だから、先生達とも

相談して。捜索願いする事になったのよ…」

「あ!…俺も。それを、相談しようと思って

かけたんだ!じゃあ、それは母さんに、

任せるから。俺、まだ!探してみるよ!」

「わかったわ。でも、あまり遅くならない

うちに帰って来なさいね。」

「うん!!じゃ、また後でね!」


…はぁ。警察を、頼ってばかりじゃ!

いられない!俺が、見付けなきゃいけない!


………たぶん。いや、きっと。瑞季は

俺のせいで…居なくなった気がする。。

だからこそ!俺が見付け出さないと!!


ふぅ、しかし。どこなんだ…今まで、

瑞季と出掛けた所は、全部!行って。

店の人にも、写メ見せて。…来てないのか

聞いてみたが、、全くの…収穫ゼロ。


あ、でも。学校の制服なら…目立つよなぁ…

もしかしたら。…私服に着替えてるのかも?

と、なると。困ったな。…でも、朝。

見送った時は…カバンしか持って無かった。

……んー。「服」買ってる可能性が、高いな。

見た事ある服装なら、いいが…

新しく、買った服だと…わかりにくい。。


あーー!!うだうだ、考えていても

駄目だ、とにかく!探す他はない!!


…よし。俺は、意を決して。

瑞季が普段なら「行かない場所」を、

探してみるしか…もう手段がない!!

時間的に、賑わい出している。…繁華街だ!


コンビニの前やら、あちらこちらに。

チャラついた男達が…たむろってる。。


こんな男達が、瑞季を見たら!

絶対的に、絡まれる!!急がねば!


瑞季の、見慣れた。綺麗な黒髪を目印に、

探してみる…。この、辺りに居る若者は

今、流行っている「派手髪」と、言う

奇抜な、髪色や。髪型だから見分けやすい。


ふと時計を見ると!もう20時過ぎ!!

瑞季…どこなんだよ。。危なすぎる!


しかし、繁華街は…広い。宛もなく

探しても無理がある………。


俺は、祈る思いで。…瑞季へ電話してみた。

「…♪…♪…♪…♪」

えっ!?繋がった!!呼び出し音が

聞こえる!瑞季!!出てくれ!早く!


「…もっしも~し♪『お兄ちゃん?』」

ん!?聞き慣れない、若い男の声がした…。

「…お前、誰なんだよ!!」

「えー、お兄ちゃんが怒ってるぅ~♪

アハハ!……!!(笑」

「ふざけんなっ!弟にケータイ返せよ!!」

「あらまー!本当に、この。可愛い子ちゃん

男なんだー!?……ザワザワ。♪♬♪~」

ん?…なんか、男の声と混ざって。

何か聞き覚えのあるメロディーが…。


……んー。あ!そうだ!!少し前に、

通りすぎた、ドラッグストアのメロディー!

聞こえ方からして。裏路地のはず!!

俺は!!すぐさま、その場所へ走った!!




「ふぅ。…瑞季ーー!!どこだー!」


……「…おにー。モゴモゴッ!」

くそっ!手で口を、塞がれたみたいだ!

でも!!すぐ近くに、間違いない!!

ドラッグストアと自販機の隙間から、

入り込める裏路地から、聞こえた!

すぐに、向かうと!……

チャラついた男3人が、瑞季を捕まえていた!


「あら~!お兄ちゃんの、ご登場~(笑」

「ってめー!!弟から手を離せ!!」

「…ヒクッ。うぅ、お兄ちゃーん!」


「ハハハ!兄弟で、ラブラブだなぁ~!

女に流行りの『BL』って、ヤツ~?」

「それな!ガチなら…ヤベーよ!!(笑」


「っるせー!!テメーら、さっさと!

弟から離れろ!!」

「おー!お兄ちゃんったら、怖い怖い(笑」


俺は、奴らが笑ってるあいだに、

チラッと時間を確認した。よし!もういいか。

俺は、大声で叫んだ「離れろーー!!」


と!同時に。5~6人の、警察官が裏路地に

突入してきて、あっという間に!

3人の男達を捕らえた。はぁ!成功した!!

良かったぁー!


なんと!俺がドラッグストアへ向かう時に

警察官に補導されかけたのだ!

んで!事情を話しながら、一緒に走りつつ。

応援を要請してくれて、3分くらい、

時間稼ぎをしてくれとの事だったのだ。

そして、男達が…少し油断してきら

合言葉の「離れろーー!!」を、大声で言う!

…本当に、補導されかけて良かったと!

初めて思った。110番では、きっと

説明するのに、間に合わなかったから!


「ありがとうございました!!」

警察官の、皆様へ。頭を下げた。


そして…瑞季は。

相当、怖い思いをしたんだろう。震えてる。

…「瑞季…。無事で良かった。」

そう言って、優しく抱き締めた。

…………「ごめんなさい。お兄ちゃん。(泣」

「……瑞季。謝るのは、お前じゃないよ。

ごめんな…俺と司の事で。悩んでたんだろ?」


「……うん。僕、いつか…相模に。お兄ちゃん取られるかも…。とか、いつか。

お兄ちゃんが相模を選んで…。僕は…僕は…」


…瑞季を、ぎゅっと強く抱き締めた。

「本当。ごめんな瑞季…。俺、お前の

気持ちに、気が付いてあげられなくて…。

兄貴失格だよな……。」

「ううん!お兄ちゃん、助けに来てくれる

なんて!!…夢みたいだったよ////♡

ありがとう!お兄ちゃん大好き!!」




『あ!!(2人同時に)

母さんに!連絡しなきゃーー!!』


2人して、笑った♡♡♡

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