第17話

ママに今日は皿洗いサボって良いよって言われたから、お言葉に甘えて先にお風呂に入った。




「花弁…増えてる…。」




照明に照らされ鏡に映る自分の身体には、あちらこちらに青紫や赤色をした花弁が散っている。



これも…。


これも。




全部ひー君が付けてくれたもの。


よく分からないけれど、ひー君の物だっていう印らしい。


消えかける度に、ひー君は上書きするように新たな花弁を落としてくれる。




「日鞠の全部は僕の物だよ。」





そう言って、今日も肌に浮かび上がったそれを指の腹で撫でていた。



少し痛いけれど、この花弁を見るひー君はいつも幸せそうな表情を浮かべるから拒否する事ができなくなってしまうんだ。

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