第29話

第29話

「…で、俺に相談って。どうした?」


「……実は、その…。俺、せっかく蓮さんに

助けてもらって…こうして、生活費も…

貰っているのに………。何故か…」


『"夜の街"に行きたくなる…だろ?』


「…えっ!?な、何で!わかるんですか!!」

「俺も、そんな時期が…あったんだ。」


「!?……蓮さんも?」

「あぁ…。嗚咽おえつがする程、嫌な行為だったのに

でも…何故か、またそれを求める自分が居た」


……まさか、蓮さんも同じだったなんて。。


「リュウ君、好きな人は…いるかい?」

「…え。……あ、はい。います///」


「うん。じゃあ、絶対に!行ってはイケナイ!

その人を裏切ってはダメだよ?」


「はい。…でも、この気持ちを…

どうやっておさえたらいいのか…。

もう、自分を壊してしまいたくなるんです!」


「……そうかぁ。」



グィ!!

「!!…うぁ!?」


俺は、蓮さんに押し倒されてしまった!


そして…俺の上に、馬乗りになると

両腕を押さえ付けられ、

蓮さんの顔が!…俺の顔にせまってきた!!


俺は…こわさのあまり身体が硬直し、

声を上げる事すら出来なかった。。


……ん?…。何も無い、、


おそおそる目を開けると…

俺を見詰める…蓮さんと、目が合った。


「…リュウ君、今、恐いか?」


俺は…声が出なくて、うなづくしか出来なかった


「今の、恐さを決して忘れないでくれ。」

そう言うと、蓮さんは俺を解放した。


手荒てあらな事をして、ゴメンな。リュウ君。

でもな…大切な人を、失くしてからじゃ

遅いんだ。こないだも言ったけど、

もう、キミは"玩具おもちゃ"じゃないんだからね。」


…俺は込み上げて来る涙を止められなくて

蓮さんに抱き付いて泣いた。。




この時………俺の、気持ちは混乱していた。

ミナトが好きなのに……。。


唯一の、俺の理解者である…蓮さんに

惹かれ始めている…自分がいた。

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