第5話

第5話

「あ!そこを右に曲がると、僕ん家だよ♪」


「おう、意外と学校に近いんだな。」

「でしょ♪」


角を右へ曲がる。

……ん、アレかなぁ。こじんまりとした

2階建てのアパートが見えてきた。


「ここだよ~!この2階の部屋なんだ♪」

「へぇー、意外と新しい建物だな!」


「うん!…あ、リュウこれ持ってて。」

ミナトは、俺に買い物袋を渡すと

鞄の中から部屋の鍵を取り出した……


って、おいおい!…鍵よりも!

でっかいクマの、ぬいぐるみが出てきた!


「…そのクマでかくね?(笑)」

「可愛いでしょー♪」

「……いや、鍵に…そのクマはでかすぎる!」

「そうかなぁ~??可愛いのになぁ~!」


ガチャ。

「さ!我が家へ、ようこそー♪」


……「お邪魔しまーす。」

あ、俺…"友達"の部屋に入るのって、

初めてだーー!…なんか、緊張するなぁ。。


「リュウ?…どしたの?」

「いや。…何でもない。…あ!コレ。」

ミナトに、買い物袋を渡す。


「ありがと♪じゃ、僕。晩ご飯作るから

その辺で、くつろいでてね~♪」



ふぅ~。…なんか、落ち着かないなぁ。

…あ!テレビ見よう!!


俺は、小さめのテーブルの上ある

リモコンを取って、テレビをつけた。


あ!アニメだ…、

って…………えっ!?なんだコレ…?


『う♡…はぁ!はぁ』音量は…小さいが…

あきらかに!…"アニメ"のエロいヤツだ。

………………………しかも、男同士でした。


…「おい!…ミナト!!コレなんだよ?」

「………あーーー!!///見ちゃダメー///!」


ピッ!

慌てて!テレビを、消したミナトだったが…


もう…遅かった。。

顔を真っ赤にして、立ち尽くす…ミナト。


「……///見た?」


「うん、…見た。」


「一生のお願い!!…今の、忘れて///!」

「いや…忘れろって方が…無理だろ?」


…………………………。沈黙が、ツラい。



「…えっと、ミナト?メシ食おうぜ!」

「あ!うんうん!!そうだね!食べよう。」


カレーを食べながら…まだ、

ミナトの顔は赤かった。。


んー。こっちから話しふった方がいいな。


「なぁ?ミナトってさ、

…親とかって。居ねぇのか?実はさ…

俺、スゲェ小さい頃にさ…両親に捨てられて

顔も…何にも、覚えてないんだよな。」


「えっ!?そうなの?…僕も、

両親の事は…ほとんど記憶に無いんだ。。」


「そーなのか…。なんか似てるな、俺ら。」

「…そうだねぇ。」


カレーを食い終わり

「ごちそーさん!ありがとな!」

「お礼なんて…温めただけだよぉ~♪笑

あ!ジュース飲む?炭酸と果物あるけど?」

「飲むー!!俺、炭酸がイイ♪」





…俺は、ミナトならずっと友達で

いられそうだなぁ、…と、思ったケド……。


……やっぱり、怖い。

いつか、失う怖さが…先走る…。


「ミナト、俺…そろそろ帰るな。」

「え!?もう帰っちゃうの…?」


「…うん。まぁその、あんまり世話に

なるのも、悪りぃかな…ってな。」

「そんな事ないよ!リュウ…もう少し

一緒に居てよぉ~!!」


…………「ゴメンな。」

ガチャ、バタン。。






…俺は、"金"を稼ぐ為に

いつもの場所へと向かった。

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