第4話

第4話

「ねぇ?リュウ君?…まだ、帰らないの?」



夕暮れ時。

…俺は、一番嫌な質問をされた。。


「…………帰りたいなら、帰れよ。」

「いや、僕が帰りたいんじゃないんだ。

…今まで、リュウ君が…家に帰るのを、

見たこと無いから……心配だったんだ。」


「俺が、どこに帰ろうと。俺の勝手だろ?」


…心配だなんて、初めて言われたな。

俺の事を、気に掛けるヤツが…居るんだ。

やっぱ…ミナトは変わり者だ。。


「あ!そうだ~♪リュウ君!うちに来ない?

うん♪それが良いよぉー!!」


「おいおい!…勝手に決めんなよー!!」

「いいから、いいから~♪」


ミナトは俺の、手首をつかむと

無理矢理、引っ張って歩き始める


「…なぁ。いきなり行ったら迷惑だろ?

俺の事はほっとけよ……。」

「うち、誰も居ないから!大丈夫だよ。」


「ん?…親とか、居るんじゃないのか?」

……………。しばしの沈黙。


「…居ないんだ。僕、一人暮らしだから。」

「は?…一人暮らし??中学生で!?」


「うん。僕、小学生までは親戚の家に居た。

でも、中学校が遠いから

こっちに引っ越して、一人暮らしなんだ。」

「……へ、へぇー。そうなのかぁ…。」


なんか。…気まずい空気感。


「あ♪ねぇ、リュウ君は

晩ご飯何がいい?スーパー行こう♪」

「俺は…何でもいいよ。」

「そっかぁ~、じゃ!カレーで良い?」

「悪りぃな…借りつくってばっかだな俺…。」


「フフ、借りとかそんな事気にしないでよ

僕がリュウ君と、一緒に居たいんだ♪」

「……。サンキュな…ミナト。」


俺は…なんだか、不思議と

嫌な気持ちではなくなっていた。


「…なぁ、その"リュウ君"っての

やめてさ。呼び捨てでいいからな…///」


「えっ!?いいの?やったぁ~♪

リュウ大好きーー!!」


「おいおい!…はしゃぎ過ぎだろー。

ったく!男同士で、呼び捨てとか普通じゃん」

「…そお?僕は、嬉しいよ///♡」



……どんどん、ミナトのペースに

のみ込まれていく…俺。ヤバいなぁ~。


…友達とか。必要ない!…って、

ずっと思ってたのに………。



「リュウ?…甘口と中辛、どっちにする?」

…「あ、スマン!俺は…中辛で。」

「そお♪僕は~甘口♪」


ミナトは。レトルトカレーとサラダを買った


「買い物完了~!!でわ、うちに帰ろ♪」

「う、うん。」

…「ん?リュウ?…どうかした?」


「あ。…いや、べつになにも………///」

「んー。もしかして!僕と一緒に居る事に

嬉しくなってるんじゃない?♡」


「ば、馬鹿言うなよ!…そんなんじゃない!」

「え~?リュウ…顔。赤くなってるよ?」

「違うってばー!!」


あぁ…完全に、ミナトの思うつぼだ!///

クールな"藤崎 リュウ"が崩壊してゆく…。

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