こころ

第27話

……研究所から戻った俺は、

やはり…何も手につかなかった。。


ただ、イズミの帰りを待つしかなかった。



でも怖かった。……イズミが

目覚めた時、"俺の事を覚えているのか?"

これだけが不安だった…。


あの!ムカつく研究者が、言っていた…


「今回の、緊急避難行動は

かなり重要な情報を"処理"できなくて

起こった事だ。それは、井川…

きみが深く関わっているのだよ。

例え、泉が目覚めたとしても…

君の事を認識できるのかは、不明だ。」


………「くそっ!!」

やり場の無い、不安が込み上げる。


…………イズミを失うなんて嫌だ!

俺が…人をいとおしいと

思ったのは、イズミ…おまえだけなんだ!





「…あ。。」


……………そうだ!イズミの

AIで、処理できなかった情報って、

もしかして…"愛"なんじゃないのか?…


だって、…AIチップごときが

"人間"の愛情を、データ情報として、

機械で解読できるワケないよな…?


…どんだけ、機械が進化しようとも!

人間の愛情や、心や想いまで

解るはずがないだろ?

ってか、解ってたまるか!!






……俺は、胸が痛かった。。

イズミを思えば思う程、

胸が締め付けられ苦しかった…。



きっと、


心臓には…血液だけではなくて

"愛"も流れているのだろう



だから、大丈夫だ。

イズミが例え…"脳"では、覚えていなくとも

心臓に、流れる"愛"を信じている。

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