第76話

俺が彼女を募集中なのは確かに事実。



俺だって男相手に頭を悩ませんと普通に女の子と付き合いたい。




けど、条件一致とはちょっと違う気がする。




加奈子は綺麗やし可愛いと思ったりもするけど、それは恋愛感情とは違う。




真剣に好きやって言ってくれてるのに、軽いノリで付き合うのはアカンやろ。




「お前なー」



「……名倉さんは好きな人がいるから」




拓真君にちょっと文句言ったろ思ってたのに、加奈子に遮られた。



しかも、好きな人がいてるからって……なんで知ってんの。




いや、違う……!



おらん。おらんぞー!!




「そう言えば前に言ってたねー。ガーベラみたいでマショマロみたいな子だっけ?まだ好きなの?」




「いや、別に……」




「ガーベラみたいでマショマロみたいな子……」




拓真君が暴露したせいで、加奈子は口もとを押さえてクスクス笑い始めた。

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