第59話

「うぅ……動けない……。」




甘い余韻の残るベットの上で、美優が布団から顔を少しだけ出してそう呟く。




「寝てもいいよ?」




散々美優を愛し尽くして満足した俺は美優の髪を撫でながら、そう言い返した。




「でも、DVD見なきゃ……」




「いつでも見れるよ。」




「だって……DVDを見る為に来たのに……」




そう申し訳なさそうに言う美優に逆に申し訳なく思ってくる。




無理させすぎちゃったかな?




「じゃあ、俺が用意するから美優はゆっくりしてて?」




ベットから降りた俺は、そう一言告げて、テレビの前に腰を降ろした。




「うん……。あ、着替えるからこっち向いちゃダメだよ?」




そう言いながら起き上がって、制服のシャツに手を伸ばす美優。




けど、真っ暗なテレビの画面に着替えてる美優の姿がバッチリ映ってる。




「美優……。」




「はい?」




「テレビの画面に映ってるよ?」




一瞬だけ黙ってた方がいいのかな?って思ったけど、何だか悪い気がして俺は美優に事実を述べた。

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