第57話

「恥ずかしがられるとさ……苛めたくなるよね?」




そう言うと同時に美優の体をベットに沈めた。




ダメだな。俺。




全く余裕ない。




「え?あの、成宮君……?」




見るからに困惑してばたつく美優の上に覆い被さる。




片手で美優の手を押さえて、そのままネクタイに指をかけた。




「………。」




途端に美優は顔を赤らめて大人しくなる。





「どうしたの?諦めて抱かれてくれる気になった?」




「あ、いや、その……何と言いますか……ネクタイをシュッとするのかな?って思って……。」




恥ずかしそうに目を伏せて話す美優に思わず笑みが零れる。





「そうだよ。美優が抵抗出来ないようにネクタイで縛るつもりだから。」




「………え?」




意地悪で言ったつもりなのに美優は目を輝かせて俺を見つめてきた。




「そんなに嬉しそうな顔しちゃってさ……本当にするよ?」




「だ、だ、ダメ……!」

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