「制服だからなー……」

「え？制服じゃダメなの？」

美優は目を見開いて驚く。

やっぱり解ってない。

お城がどういう所なのか。

解らないうちは連れて行けないな。

夢を壊しちゃうのは嫌だ。

「でも、加奈子ちゃんと名倉は制服で行ったって言ってたよ？」

美優にそう言われて、驚いて目を見開く。

「え？名倉君たちが？」

「うん。あの２人付き合ってるんだって。」

「そうなんだ？」

何だかんだ言ってちゃっかりしてるな名倉君……。

そう感心しながら、もう一度お城を見上げる。

「んー。本当はダメなんだよ。だからまた今度、ね？」

少し迷った末に、そう言いながら頭を撫でたら美優は笑顔で頷いた。

「ふふ。楽しみっ。」

そして、そう呟いて俺に凭れかかってくる。

あぁ、もう……可愛いすぎ。

可愛すぎて……もう辛いくらいに愛しさが込み上げてくる。

「あのさ、美優……」

「うん？」

「この前美優が見たいって言ってたＤＶＤ今から一緒に見よっか？」

気付けばそう誘ってた。

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