第33話

往生際の悪い俺は美優ちゃんをプリクラ機の中に連れ込んだ。




「拓真君……急にどうしたの?」




美優ちゃんは目を泳がせながら、声を震わせる。




動揺してるのがバレバレだし。




反応が素直すぎて、つい意地悪したくなっちゃうんだよなー。




「この間の続きをやろうかなー?って思ってさー。」




言いながら、美優ちゃんの唇に触れるか、触れないか微妙なラインまで顔を近付けた。




鼻とか当たって、唇ももう触れちゃいそう。




逆に焦らされてる気分だし。




「ま、ま、ま、待って!」




美優ちゃんはギュって目を閉じて真っ赤な顔で必死に俯こうとする。




うっわ……!




美優ちゃん可愛いすぎだし。




やばいなー。




本気でするつもりじゃなかったけど、やっぱりキスしたくなってきた。




「どうしてー?1回した仲なのにー?」




「……だ、ダメだよ!離れて?」




俺を真っ赤な顔で押し返す美優ちゃんに、顔がニヤケる。




もっと困らせたくなってきた。




「じゃぁ、3秒以内に俺が納得する理由を言えたら止めてあげるー。」




「……え?3秒?えっと……」





「拓真。いい加減怒るよ?」









………出た。

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