3



 翌日、本当に体調を崩した私は学校を休んだ。

 熱が39度も出てしまった。



「菜都……仕事行ってくるね。無理せず、食べれる物は食べて」

「うん、いってらっしゃい」



 静かになった家に1人。

 泣き過ぎた目は恐ろしいくらい腫れている。


 氷で冷やして、少しだけマシになったが。



 昨日は色々なことがあった。

 ちっぽけな私では処理しきれないくらい、色々。



 河原先生も、柚木先生も、圭司も、愛理も。



 みんな……みんなが……。



「………」



 大切な幼馴染を、失った。



 小さい頃からずっと一緒だった愛理と圭司。


 何をするにもいつも3人一緒で、たまにやらかしては『3バカ』なんてまとめて呼ばれたりもした。





 あの体育祭の日。


 告白をしている様子を見るまで、知らなかったんだ。

 愛理が圭司に想いを寄せていた、なんて……。




 3人いつまでも一緒だと思っていたのは、私だけだったかもしれない。




「……」




 もう、考えることを止めよう。


 涙は枯れることを知らず、無限に出てくる。



 布団に潜り、枕に顔を埋める。


 何も考えず……眠ることにした。




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