【3】

先生①


 河原先生。


 河原先生のことが好き。



 考えるだけでもドキドキして、胸がキュンとして苦しくなる。



 別に年上が好きなわけではない。



 『河原先生が』好き。



 ただ、それだけ。

 オッサンとか、立場が違う人とか、年上すぎるとか。そんなのは一切関係無い。




  ガラッ



「お、こんにちは。平澤さん」

柚木ゆずき先生、こんにちは」



 ここはボランティア部の部室。


 ボランティア部に所属している私は、放課後ここで少しだけ活動を行っている。





 年々減少していく生徒数。

 それに伴い、このボランティア部も部員数がどんどん減って行った。



 去年までは卒業していった先輩が5人居たから、それなりに活気もあったけれど。今は先輩も後輩も、何なら同級生すら、このボランティア部には居ない。



 寂しいけれど、私と顧問の柚木ゆずき雅人まさと先生の2人で活動を行っているのだった。





「平澤さん、今日は校内の草を少し抜きましょうか」

「分かりました」



 柚木先生は国語教師。

 小柄で、少し癖毛な濃い茶髪。


 年齢は26歳って言っていたかな。




 柚木先生は、女子生徒から人気だ。





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