第90話

「なに俺様発言してるのそんなキャラじゃないでしょう?…もう相手にされないよ?」



アタシが呆れたように言うと、



「誰に相手にされなくても良いよ、」



サツキは艶っぽくアタシを見つめる。



「は?」



「かのんだけがホントの俺を知ってたら良い事だから。」



う…、この男は。



「ねえ、俺のブレないところにキュンとした?」



「う、うるさい!!」



やばい……キュンキュンしてるわ!






「ところでかのん、着付けひとりで出来るの?」



「出来る訳ないよ、着物なんて成人式以来だもの。」



「だよねえ…」



サツキはどこか残念そうに言う。



「なに?」



「ああ、ちょっと着物脱がしてみたいなって…」





そうサツキが言ったらその隣を歩いていたウエイターさんがビックリして持っていた飲み物をそっくりサツキのスーツにぶっかけてしまった――――。

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