恋になるまで

第91話

「サツキ、大丈夫?」



サツキはスーツ一式をクリーニングに出すとシャワーを浴びた。

もちろん部屋はホテル側が準備してくれた。



「ああ、ちょっと腕が軽くやけど…って!?」



サツキは上から下までアタシを見る。



「着物は!?」


「脱いだ。」


「なんで!?」


「…なんでって苦しいから?何よ、」



サツキは壁にもたれる。



「脱がせてみたいって言ったのに。」



「はあ?変態!」



アタシはベッドに腰掛ける。



「かのんの両親吞気だね、俺達ふたり残して帰って行ったけど。」



「アタシの返事なんて無視してサツキの両親と式場見に行った。」



「ウソ!!本当に!?」



サツキはアタシの所まで来て隣に座った。



「…よ、喜んでるのどうしよう。」



「かのん、結婚てね本人同士の感情が第一だけどやっぱり両親に祝福されるのって幸せだと思わない?」



サツキはそう言って自分の手をアタシの手に重ねた。

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