第89話

―――――――…



「本日は頗る御日柄が良いね?」



「……。」



10日振りにサツキと会った場所はお見合い当日。



両親たちと顔合わせ…と言ってもアタシ達の場合は幼なじみという事もあり、緊張感なく談義にハナが咲いた。



そして今はサツキと二人きりでお茶を飲んでる。

遠くから自分たちの両親もニヤニヤしながアタシ達を見ていた。



「…忙しそうだね。」



「ああ、ちょっとオペが立て続けに入ったから。もしかして部屋に来た?」



「…まあ。」



「ほとんどマンションには帰ってなかったし、術後管理が大変な患者が一人いてね。うん、このコーヒー旨い。」



そう言ってサツキはコーヒーカップを置いた。



サツキはスーツを着ているんだけど、こんな姿の彼は初めてだなと見つめていた。




スタイルが良いから文句なくカッコイイんだけど…。


「サツキ、」


「うん?」


サツキの視線は庭園からアタシに向けられる。



「由芽に何言ったの?」


「由芽?…ああ、芦田さん?しつこかったなああのコ。俺と付き合うのなんて100万年早いよってステーションで…、」



「言ったの!?」


「うん。そしたら俺が周りのスタッフに凄いドン引きされた。笑えるよね。」





何考えてるの…このバカは!?

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