第83話

「急なんだけど先週婚約したんだ、恵美と。」



は?



「籍は年内に入れて、式は来年かな?」



「あ…そうなんだ?お、おめでとうございます。」



本当に英二は結婚するんだ。


どんな風にプロポーズしたんだろう。


「かのんも良い知らせ待ってる。」



「はは…知らせないし。」



そう言うと英二は苦笑いした。



バーカ。



英二なんか早く誰かのモノになってしまえ!


そしたら、アタシはもっと楽になる。



楽に…



楽に?



…そんなのウソだ。


気づかないうちに凄く焦がれてる……。



英二に焦がれて諦めきれなくて


サツキに揺さぶられるアタシは…、



最悪な女だ。

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