第78話
アタシは首を横に振る。
「できない…できない。」
声にならなかった。
サツキを失いそうで、それを防ぎたいと思った。
「サツキ…」
「それは自分勝手っていうの。」
サツキの口調が強くなる。
「今更淋しくなったの?」
アタシは返事ができない。
「あからさまに避けて、俺が離れようとしたら惜しくなった?」
「…わからないの、」
「なに、が?」
アタシはサツキをどう好きなのか。
「サツキはもう幼なじみには戻ってくれないの?」
「うん、悪いけどその気はないよ。選ぶとしたら、まあ知らない他人になるか……」
サツキは視線を別にずらしてそう言ってまたアタシに視線を戻す。
「俺を婚約者として傍に置くかだよね。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます