第73話
「大丈夫?かのん、もうすぐ病院着くから。」
「由芽、そんな大袈裟な大丈夫だから。」
アタシ達三人は居酒屋からタクシーで職場である病院に向かっていた。
「ホントにゴメン、アタシ…、」
彩香は不安そうにタオルに包まれたアタシの右腕を見つめる。
「わざとじゃないんだからそんな顔しないでよ。」
怪我をしているのは自分なのになぜか冷静でいるアタシがいた。
それは彩香に心配をかけたくないと思ったからかもしれない。
病院に着いて、職員入口に入る。
「あ。」
由芽が一声上げた。
アタシと彩香は由芽が見つめる先を見てみると、
サツキがいた―――――――。
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