第68話

でも簡単にアタシの腕はサツキに掴まれてしまう。



「もう止めるから、」



サツキは静かに言った。



「もうこれが最後…だから。」



サツキは目を閉じて、何か言い聞かせるように言うから、



「…分かった。」



アタシはつい返事をしてしまう。

するとサツキは目を開けて苦笑いした。

そして、




「もうかのんと幼なじみは止める。」



「…え?」



なんで?

アタシがセフレみたいな関係を嫌がったから?

それだけで幼なじみを止めるって…どれだけ小さい男なんだ!?サツキはこんな男だったの?



「は…、そう。じゃあ退いてよ。」



いいよ、丁度新しい恋愛を見つけたいと思っていたから。

こっちはせいせいする…、



「ヤダよ、かのんをまだ抱いていない。」



「!?この、鬼畜!あんたなんか関係なくなったんだから離れなさいよ!」



サツキの考えている事が分からなくて、幼なじみを勝手に止めるとか言われて悔しかった。



なのにアタシとセックスするなんて、



どれだけアタシをバカにするんだ!



やっぱり、



サツキもアタシの嫌いな医者の部類に入るヤツだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る