第67話

「な、なに…?」


アタシはサツキが潰した缶ビールの音にビックリする。



「慰めか、…間違いではないけど。」



サツキは近くのゴミ箱にそれを投げる。



「かのんは俺が必要ではないの?」



「女はいつも誰かに抱かれてないと精神的におかしくなってしまうって事はないから。」



アタシは笑いながら言った。

一体サツキは何を言わせるんだ、恥ずかしい。



「俺は無理。」



「男の生理現象なんて知らないわよ。」



「今だってかのんに触れたいって思ってる。」



サツキはそう言いながらアタシの首に触れてくる。



「ちょ、ちょっと…」



なにアタシ相手に色気振りまいてんの?

そんな切なそうに言わないでよ。


アタシが後ずさりしようとするとサツキは床にアタシを組み敷く。



「こ、こんなトコでする気なの?ていうかホント止めようよ。」



サツキはニコリともしない。

そしてアタシに口づけてくる。


それはなんだか濃厚で…、



「いやっ…、」


アタシは顔を背けるのにそれでもサツキはアタシを追って来る。



「サツキっ…!」



アタシは思い切りサツキの胸を押した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る