第66話
サツキはアタシを見つめると薄く微笑んだ。
「…へえ、俺を切りたいの?」
「は?やらしい言い方しないで。」
アタシは自分の缶ビールを手に取る。
「あ、そうだ。サツキ、ちょっと前に看護師から飲みに誘われなかった?」
「そんなの覚えていない。」
さよですか…由芽が哀れだったりする。
「ねえ、かのん。俺は…」
「こんなのは良くないと思う。」
「こんなのって?」
「サツキを次の恋の繋ぎみたいにするのはやっぱり気が引ける。」
「…俺は良いって言ってるでしょう?」
「サツキ…アタシだって一応女なんだよ。」
「知ってる。」
サツキはアタシが持っていた缶ビールを取る。
「…アタシ、サツキの慰めのためにセックスするのは…もう止めたい。」
そう言った瞬間サツキが持った缶ビールがグシャッて鈍い音を立てた。
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