第65話

「付き合いたいけど…まあ色々諸事情がね。」



「諸事情?」



サツキはアタシの髪をクシャクシャにする。


「な、何すんのよ!!」



「この話はおしまい。」



「なんでよ!?あ、あれなんだ?」



「あれって?」



「不倫……とか?」



サツキは吹き出す。


「バーカ。SECRETだよ。ねえ、もう一本ビールちょうだい?」



「はいはい、じゃあサツキは相手を探すのには時間が掛かりそうだね。」



「うん?」



アタシは冷蔵庫から出した缶ビールを渡す。



「サツキ、アタシ英二は諦める。もう完全に終わった。だから次の恋をしようと思う。」



そう言うとサツキの目が大きく見開いた。

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