第56話

―――サツキの指が緩く、そして繊細に触れる。



「…かのん、慣れてきた?」



「ん…?なにが…、」



「いや、違うかな。俺がかのんに馴染んできたのか。」



そう言ってサツキはアタシのカラダを揺らす。



「やだ、カラダの話してんの?変態。」



「変態って…酷いねえこんなに尽してるのに。」



サツキは顔を寄せると啄むようにキスをする。


確かにサツキのセックスは優しい。

本当に愛されてるんじゃないかって誤解しそうになる。



「サツキとシテると彼女になった気分になるよ…」




思わずそう言ったらサツキは動きを止めた―――。

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