第55話

「でもサツキはモテるよ。」



「なに、突然。いつもけなしてるくせに。」


サツキは笑いながら牛丼を食べる。



「それは、サツキがアタシの恋愛に口挟んでくるからよ。」



アタシはサツキを肘で突く。

サツキはそれを嫌がるようによける。



「まだエイジに拘ってるんだ?」



「だからそう簡単に解決できるもんじゃないの。」



「でもそのエミって彼女はベッドで寝てたんでしょ?」



また……こいつは!



「あーあ、アタシもあんな風に介抱されたい。」



「してるじゃない、このイケメンが。」



「自分で言うな。アタシは彼氏にされたいの!」



アタシは残りのビールを飲み干す。



「じゃあ俺をかのんの彼氏にすればイイ話でしょ。」



「また冗談を、サツキは絶対ダメ。っていうか無理だから。」



この冗談も大概にしてほしいわ。

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