「虫垂炎みたいな感じじゃないから。それに場所的に胃の方かもしれないです。でもこれはあくまでもアタシの憶測だから心配なら救急病院に行った方が良いと思います。」

「こんな時間に呼び出して悪かった。恵美も落ち着いたみたいだし。」

「胃薬しか飲んでないから、それならたぶん胃が原因かも。」

彼女はエミっていうんだ。

可愛い彼女にぴったりな名前…。

「看護師の知り合いがいて良かったよ助かった。これ、タクシー代。」

英二は財布から五千円札を渡してきた。

アタシのマンションから此処までは、

タクシーでワンメーターで十分だった。

サツキの言った事は間違ってなかった。

それでも忘れられないのはなぜだろう…、

利用されたと分かっているのに。

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