第26話

「サツキっ…もうビックリさせないでよ。」



「俺、普通に声掛けただけだよ。かのんがやましい事考えてたからじゃないの?」



サツキは笑いながらそう言った。


その的を得た言葉がアタシの胸に突き刺さる。

アタシはもう一度英二のいた場所を見つめる。



「あ…」



英二の姿はなくなっていた。


たった少しの間に彼を見失ってしまった。

アタシは周りを何度も見渡す。



「かのん?誰か探してるの?」



「サツキが声を掛けるから見失ったじゃない!!」



「え?俺のせいなの?」



「そうだよ!!英二を見つけてたのに!!」



アタシはサツキを睨んだ。

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