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島崎はパーカーが玄関を出ていくのを確認してかなめのもとへ戻ってきた。
「お帰りになられました」
「そう…」
すっかり冷めたストロベリーティーを、かなめはもう一度軽蔑するように見下ろした。
「パーカーがこれを好きってどうして知ってたの?」
「以前シアトルのカフェでお嬢様と対談された際に注文をされていたので…メニューを見ずに」
「そうだったかしら?」
「はい。ところでお嬢様__」
「事件のことね?」
かなめは先程頭に入れた少ない情報を思い返して腕を組んだ。
考えるときのかなめの癖だ。
「いえ、そうではなく」
「ん?」
「お気に召されませんでしたか?ストロベリーティー」
「あぁ…」
残された苺が寂しげに紅茶の海に浮いているのを見てから島崎を見ると、苺以上に寂しげな目をしているではないか。
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