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「いつになったら貴方の隙をつけるのかしら。
島崎…?」
すっかり目を覚まし右手に力を込めるかなめは、目の前の生意気な執事に冷酷な視線を向けていた。
左手でかなめの手を握った島崎は、ニッコリと目を細めていた。
「おはようございます、お嬢様。お嬢様がお望みとあらばいくらでも、お受け致しますよ」
「止めてるじゃない」
「つい癖で」
お互いの手がゆっくり離れると、島崎は膝をつけて言った。
「さ、お嬢様、どうぞ…」
まるでビンタを待っているかのようなその態度に目もくれずかなめは起き上がった。
「そんな変態プレイに付き合っている暇はないの」
「……仰る通りでございました」
「眼鏡」
「はい」
かなめの差し出す手に、すかさず赤い眼鏡が置かれた。
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