第85話

「あなた誰よ。」


エリーが野宮さんを見るといつもの強い口調で言った。

そう言われた野宮さんは少しビクつく。



「……彼女は俺達と同じ医科大学の後輩。野宮さんと言って今ウチで専攻医してる。」



「そう、わざわざ日本で?貴女もリツを追いかけて来たわけ?」



「それはっ……」



「エリー!」



「でも残念ね、彼は既婚者だから。」



「知ってます、驚きましたけど。大学にいた時、滝川先生たちは有名だったのでアタシ達周りの人間はお二人が結婚するとばかり思ってましたから。」



……ったく、早く帰らせてくれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る