第84話

その日の外来を終えて職員入口を出ようとするとエリーがいた。



「……なに、もう大学に帰ったんじゃないのか?」



「残念でした、明後日帰る予定よ。ちょっと話せる?」



「無理。エリー、はなに論文の話とかするなよ。」


おかげでこっちは旅行を断られそうになったし。


そう言ってドアノブに触れるとエリーは俺の腕を掴んだ。



「話はその澄田さんのコトなんだけど?」



エリーは真剣な表情で俺を見ていた。



そんな時、



「あ!!北澤先生と……滝川先生!?」



……一番見られたくない場面を野宮さんに見られてしまった。

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