第73話

「ねえトイレどこ?」



「あ、あの突き当たりにあります。」



「そろそろメイクが崩れる時間なのよ。」



「は?いや、十分お綺麗ですけど。」



「これで満足なんてしてないのよ、アタシは。」



そう言ってエリー先生はリビングを出て行った。


アタシはその姿を笑いながら見ていた。



だけどアタシは油断していた――――。





少ししてリビングのドアが開く音がする。



「エリー先生、夕食食べて帰ってくださいね?」



そう言ったけれどリビングから声がしない。


アタシはキッチンから出ると彼女はあるモノを持っていた。



「先生……?」



「澄田さん、あの、これ手洗いの所にあったんだけど……、」




「あっ……っ!!」



差し出されたそれをアタシは急いで奪い取った。

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