第74話
アタシはそれを握り締める。
「それが何の薬か騙せると思ってるの?」
「……思っていません。」
アタシは俯く。
気を付けていたのに。どうして寄りにもよって彼女に見つけられてしまったんだろう。
「その薬をリツが勧めた……なんて事はありえないわよね?」
アタシは無言で頷く。
「澄田さん、何してるの?ピル飲んでるなんてリツはっ……、」
「関係ありません。エリー先生にアタシの気持ちなんて分からないから……」
そう言うと彼女は思い切りテーブルを叩いた。
その衝撃音にアタシの肩は震えた。
「ふざけないでよ!!」
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