第68話

「何しに来たの。」



「嫌な言い方するわね、元カノに。」


エリーは笑いながら言った。

一緒に医局に居る冬弥はエリーに見惚れている。



「で、子どもは順調?」



「……いや、ダメだった。」



「え……?」


エリーの表情が曇る。



「そう、残念だったわね。でもまだ大丈夫よ彼女は若いわ。」



俺は小さく頷く。



「今ねこの県で脳外科学会してるの。今日はフリーだからリツの病院でも見ておこうと思って、案内してよ。」



「俺は忙しいから……冬弥頼めないか?」



「っえ!?俺っ!?もちろん!!」


冬弥は浮足立つ。



「イヤよ、アタシはリツがいいの。」



……冬弥は思い切り俺を睨んだ。

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