第38話
それでも律はアタシの腕から離れなかった。
「…まだ半月此処で過ごすんだよね。」
「う、うん。ごめんね?律こそ御飯とか大丈夫?」
「うん、悲しい事に俺、なんでも出来るし。」
アタシは思わず笑ってしまう。
無表情でそんなことを真面目に言う彼がおかしかった。
「おかしい?」
「ううん、その通りだもんね。律は大丈夫だね。」
そう言うとアタシの腕を掴んでいた律の手に力がこもった。
「全然…大丈夫なんかじゃない。」
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