第23話

「ちょっと、こんなところで泣かないで、」


「す、すみません。冬弥さんてイイヒトだったんですね…。」



「はあ!?律から俺の事どんな風に聞いてるんだよ。まったく…」



冬弥さんはアタシにハンカチを渡してくれる。



「…未使用だから大丈夫だよ。」


「…じゃあ遠慮なく。」



「なんだよ、元気じゃん。」



冬弥さんは笑い出す。


アタシも冬弥さんにつられて少し笑える事ができた。



すると冬弥さんの携帯が鳴る。


「ヤバっ、病院からだ。はなチャン、一人で帰れる?」



「はい、大丈夫です。」



そう言うと冬弥さんは手を振ってエスカレーターを掛けて下りていった。

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