第19話
はなは自分の場所にサインをすると同意書を目も合わさずに俺に渡してくる。
「律も書いて、保証人のところ。」
「わかった、書いておく。」
はなは頬に流れる涙を拭いながら溜息をつく。
「なんだか離婚するみたい。」
「なに言ってるの、結婚してまだ半年も経っていないのに変な事言わないで。」
俺は保証人の場所にサインをする。
はなはそれを確認すると席を立った。
「じゃあ勝手に入院の日も手術の日も律が決めて?それと当分自分の部屋で過ごす。」
「はな、」
俺が彼女を呼ぶと身体を少しビクつかせる。
「俺に腹を立てるのは当然だと思うけど、拒絶とかは堪えられない。俺には…はなだけだし、」
はなは返事をせず、俯く。
「二人で乗り越えないと意味がない。」
…はなが簡単に俺から離れそうな気がした。
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