第18話

――――はなの居る部屋に入ろうとするけど、そこは鍵が掛けられていた。



「はな、開けて?」


彼女からの返事はない。


「…はな、俺も辛いよ。だけどこれが現実だから、」


すると部屋のドアが開く。

泣きはらしたはなが出てきた。



「はな…、」



「どうしてこんな事になっちゃったの?アタシのせいなんだよね?」



「それは違う、先天性のものだから。はながどうこうじゃない。」



「でも…アタシは律の子ども…、」



俺ははなを抱き締める。



「はな、自分を責めないで。今度は元気な二人の子どもが来てくれるから。」



「…次ってあるの?」



「え…?」



「また…こんな事になるんだったら…イヤ。」



はなは俺から離れてフラフラとダイニングテーブルに向かう。



そしてさっきの同意書を見つめるとペンを取り出して自分の名前を書き始めた。


泣きながら……。

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