第14話

―――――


遅い休憩をとっていると、院内PHSが鳴る。


ディスプレイに表示されていたのは産科の宮城先生からだった。


すぐに嫌な予感がした。

今日ははなの検診日だった。



お腹の子どもに何かあるんだ、と。



「律、なんで電話とらないんだよ。うるさいから早く出ろ。」


偶然隣でランチを取っていた冬弥に急かされる。



「…ゴメン、これも食べて。」



「は?」



俺は急いで食堂から出た。



そしてPHSの通話ボタンを押す。



――――予感は的中。



幸せな時間は俺達には短すぎた。

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