第2話

...電子カルテにしたい


指示出すのにカルテに手書きなんてありえない


俺はナースステーションの時計に目をやる



「18時か...あと何冊あるんだよ。」



カルテもそうだけど画像も放射線科に行かないと見れないなんて



完全にボールペンを持つ手がストップした俺に父さんが声を掛ける



「律、途方に暮れているな?」



「ああ、完全にね。事が進まないよ。」



その言葉に父さんは苦笑いする



「どれだけ自分の居た場所が恵まれていたか身にしみただろう?」



「そうだね、自分だけの実力だけで此処までこれたとは思ってないけど。ただそれでもこの病院は色々変えないとダメだと思う...医者の力ではどうにもならない事もあるから。」



父さんは頷いた



「血は争えないな...」




「え?なにが?」


その言葉に違和感を感じて問いただすけど、父さんは笑って循環器のステーションを出ていく



「だれの血か分からないのに...」



俺はまた手書きの指示をカルテに書き始めた

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