第11話
第十一話
コスモへ。
☆
まず始めに、少し遅れたけど優太君とのツーショットの写真もらったから速攻で送るね。それと同時に二年からのコスモ宛てのお手紙、いっぱい預かってきたよ。正直な話、二年の子たちがどんな事を手紙に書いているのか盗み読みしたくてしたくてウズウズしてるんだけど、そればっかりはルール違反だよね。大丈夫、誓って言うけどちょっと読んでみたいなと思っただけで実際にはそんな事してないから心配しないでね。しかし相変わらずすごい人気だね。これだけたくさんあったら、確かに返事書くのも大変だよね。まったく人気者は辛いね。てゆーか"返事したくてもキツくてできない"だなんて贅沢な悩みをブチ上げやがって! それ、私も一度でいいから言ってみたい、羨ましいよ。うん、「あんまいっぺんに送られても全部に返事はできないかも知れないって言ってたよ」って伝えといたよ。そしたら二年の子たち、「返事はなくても構わない。とにかくちゃんと送ってください」だって。
それと、これだけたくさん手紙があったら読む方も大変だろうから、今回は手短かに書くね。
一緒にリトルトーキョーへ行く予定のボーイフレンドと、上手く行くといいね。
ところでどうなの。もし仮に付き合うとして、「日本での事」を全部正直に話すの?
それと優太君とのツーショットの写真を見て思ったんだけど、優太君に貸しっ放しにしてある、コスモのお兄ちゃんの形見のギターはこれからどうするつもりでいるの?
それからもう一つ、大事な質問があるの。正直なところ、コスモは優太君の事を、今ではどう思っているの? だってほら、コスモ、毎回のように優太君の事をアレコレと書いて来てるじゃん。だから私、どうしてもその事が気になって仕方ないんだ。
お願い、本当の事を全部聞かせて。
最後になるけど、ダビドフのクールウォーターって、確かブラット・ピットも使ってる男性用の香水だよね。まあ確かに香水の男女の区別なんてあってなきようなものだけど、そうだとしてもこの香水を選ぶ女性は珍しいんじゃないかな。まあでもかえって「男の子みたいで超カッコ可愛い」コスモにはこういう柑橘系でマリン系の爽やかな香水の方が似合うかもね。この香水をつけているコスモの姿を想像しながら今日はお休みする事にします。またね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます