第85話

名倉が言ってた通りに……。




「……して欲しい」




あのドラマのようなドキドキのシーンを成宮君に演じて貰えるなんて最高だよ。




──ガタッ──




私が返事をするとともに、成宮君は私を机の上に押し倒した。




「な、成宮君……」




演技だとわかっていても、大好きな人に押し倒されてドキドキする。




「なに…?」




成宮君の髪の毛がサラサラと頬にあたって、その目はいつになく真剣で──




思わず顔を背けたくなる衝動にかられてしまう。




でも、自分で見たいって言ったんだし目を反らしちゃダメだ。

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