第83話

「そんなに笑わなくても……」




「そうでしょ?だって、もう残り一問だし」




「うぅ……恥ずかしい……」




確かに、成宮君の言う通り残り一問だけど……!




恥ずかしく感じながらも、最後の問題を解き終わった私は、ペンケースにシャーペンを片付けた。




「ごめんね?ほら、ご褒美は何がいい?」




成宮君は、余り悪びれた様子もなく、ニコっと笑ってそう聞いてくる。




その笑顔がキラキラと夕日に混じって輝いて見えて……。




「決めてもいいの……?」




何だか色っぽく感じる成宮君に目を合わせていられなくて、私は俯きながら、そそくさと鞄にノートを片付けた。





「いいよ?」




成宮君はあっさりとそう返事を返してくる。




ご褒美を決めなきゃいけない。




何にしよう?




ご褒美は成宮君……。




いや、そんなこと言われたら困っちゃうか。




やっぱり私が貰いたい成宮君からのご褒美は1つだけだ。

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