第71話

「どうしたん?ため息なんか、ついてー」




隣の席の名倉が、机から体をダルそうに起こして私を見上げる。




「あ、別に何でもないよ?」




名倉にそう言い返して、私は顔を机に伏せた。




「何か疲れた顔してるけど、大丈夫なん?」




名倉が私よりやつれた顔で、私に心配そうに聞いてくる。




「いや、私より名倉の方が体調悪そうだよ?大丈夫?」




顔色とか真っ白だし。




「大丈夫ちゃうかも。昨日の女がアレで、もう寝不足やしなー」




名倉はため息をついて項垂れる。




昨日のアレ……?




よく解らないけど……。




「保健室に行っておいでよ?少し寝ればマシになるかも?」




しんどそうにする名倉が心配で、そう言ったら名倉はニヤっと笑った。

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