第51話

「イヤっっ!」




怖くなった私は、目を閉じてその場にしゃがみこんだ。




ひぇーっっ。




「うっ」とか「ぐはぁ」っとか聞こえるよ……!




人が殴られるシーンなんて見たくない。




血とか怖いし。




出来るだけ縮こまって壁際にベッタリと寄り添った。




体が自然と震えてくる。




「……もう大丈夫だよ」




暫くそうやって縮こまっていたら上から優しい声が振ってきた。




そっと顔を上げてみる。




「あれ?」




でも、そこには私が想像していた光景とは違って……。




親衛隊の男の子たちが転がる中、眼鏡君が傷1つなく涼しい顔で立っていた。

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