第50話

「は、はい?」




「お前……何逃げようとしてんだよ」




逃げようとしていた私を見つけた男の子が、そう言って私の腕をグッと掴む。




「いたたたた……っ」




その力の強さに、思わず顔が歪んだ。




「そいつに触んな……」




眼鏡君は低音ボイスでそう言いながら、私を掴んでいた男の子の手を捻りあげる。




「いってぇー!!」




その男の子は、私から手を離して顔をしかめた。




眼鏡君は顔色1つ変えないで痛がる男の手を捻っていく。




……よく分かんないけど、眼鏡君は、私のことを助けに来てくれたのかな?




誰か知らないけど。




「ふざけんなー!」




それを見ていた残りの2人が、叫びながら眼鏡君に飛び掛かる。

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