第49話

「はたして、ハーフなのか不良なのか……」




ハーフか不良にしか見えない眼鏡君は、肩を掴んでいる親衛隊の男の子を下から上まで見下ろす。




「離せ……」




眼鏡君は、低く一言そう呟いて、その男の子の手を払い退けた。




「ふざけやがって……」




「俺ら、この子と大事な話の最中だから邪魔すんな!」




それを見た別の男の子たちも、眼鏡君を睨みつけて威嚇し始める。





これは……もしかして、逃げるチャンス?




私はそーっと音を立てないように立ち上がった。




ゆっくりと静かに少しずつ入り口の方に近付いて行く。




入り口まで、あと1メートル。




「……おい!」




ってところで、親衛隊の男の子の1人に呼び止められてしまった。

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