第22話

「な、な、何でもない!ほら、ネクタイ直ったよ!」




やばい。確実に変な子から変態に昇格しているかも知れない。




今世紀最大のチャンスだったはずなのに、今は最大のピンチに陥ってる。




なんて皮肉な!




弁解のチャンスの場面で、さらに墓穴を掘ることになるとは……!




「……ありがとう」




大パニックな私とは反対に、成宮君は顔を赤らめて俯いた。




あれ?もしかして……成宮君照れてる?




やだっ!照れてる成宮君、凄く可愛い……!




思わずニヤけちゃう。





「どういたしまして……っ」




緩む頬を押さえることが出来なくて、私はニッコリ笑って成宮君にそう言った。

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