第23話

「俺、不器用でさ。ネクタイを結ぶのが苦手なんだ」




成宮君は少し恥ずかしそうに、ネクタイを指でそっと撫でた。





「成宮君、不器用なの?」




几帳面そうに見えるのに。




意外な一面を知れて嬉しいかも。




ネクタイを結ぶのが苦手だなんて可愛い過ぎる。




「私で良ければ毎日結んであげるのに……!」




結んで?と言われたら、私は尻尾を振って何度でも結ぶと思う。




だって、大好きな成宮君の大好きなネクタイを結べるなんて最高だもん。




毎日がハッピーDAYだよ。




「あ、じゃあ毎日結んでよ」





成宮君は俯いたまま、私にそう言ってきた。




きゃー!毎日、成宮君のしかもネクタイを結べるなんて……!




し・あ・わ・せ……?

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