第21話

「あの、ネクタイの結び目が…」



「え?」




キョトンと首を傾げる成宮君のネクタイに手を伸ばして、結び目を直してあげた。




私、ネクタイがもの凄く好きで。



所謂ネクタイフェチなのかも知れない。




ネクタイを直すのも、見てるだけでもワクワクドキドキする。




「でも、やっぱりネクタイはシュっと抜き取る時が1番ドキドキするかな」




そんな現場ドラマでしか見たことないけど。




あと、眼鏡も好き。



正しくは、眼鏡を外す瞬間が好きだ。




眼鏡を外した後クスっと笑って私に……。




「抜き取るとき……?」




成宮君が顔を赤らめて妄想に浸っていた私を見つめてくる。




「……え?」




私、また口走った!?



どのフレーズ?



どれを言ったんだ?




抜き取る……ネクタイか!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る